top of page

会いたいと思ってもらえる関係

「定期的に訪問して関係を作る」は間違い…顧客との関係は1回目に作る

2017年10月15日

「この顧客は来期に見込があるから定期的に訪問して関係を作ろう」

よくこのような言葉を耳にします。


はたして定期的に訪問すれば関係を作れるのでしょうか?



新規開拓営業をしている人は、一緒に振り返ってみてください。


問合せやTELアポで20件の顧客に訪問できました。

その中で見込がある15件を定期的に訪問して受注を獲得しようと決めました。

では、15件の中で1年後に訪問できている顧客は何件ありますか?


2件~3件しか訪問できていない・・・

残りの12件~13件はどうしたのでしょうか?


電話をしてもつながらない、つながっても忙しいと言われて会えない。

メールを送っても返事が来ない。

近くに寄ったという理由で顔を出しても、面倒くさがられる、盛り上がらない。その結果、次の訪問ができない。

「ネタがないので訪問できない」という言葉もよく聞きます。

たしかに、1回目の訪問ですぐに注文をもらえるということも少ないので、定期的に訪問して顧客が検討するタイミングをおさえることは大切です。

しかし、会えない・・・これでは「定期的に訪問して関係を作ろう」の意味がない。



「定期的に訪問して関係を作ろう」ということをよく耳にしますが、はたして正しいのでしょうか?



「定期的に訪問して関係を作ろう」の実態を見てみました。



1回目の訪問のとき・・・


一生懸命、会社の実績、商品の機能や強みを説明してアピール。

顧客も時間を割いて会ってくれただけあり興味を持っているようで、いろいろと質問してくる。

検討できるか聞いてみると、「今期は予算がないから難しい」「ただ、当社には必要だと思うので来期は検討するかも」「定期的に連絡してください」



顧客との商談が終わり帰りの電車の中で・・・


上司

「商品を理解して興味も持ってもらったし、1回目の訪問だからまずまずだな」

「来期に見込があるから定期的に訪問して関係を作ろう」


部下

「わかりました、2か月に一度ぐらいフォローします」


半年後の営業会議・・・


上司

「○○社はどうなっている?」


部下

「訪問できていなくて・・・」


上司

「なんで?新商品が出たんだから紹介ぐらいしておけよ」


部下

「連絡がつかなくなってしまって・・・」


上司

「しょうがないな」


(問題)

なぜ、訪問できなくなってしまったのでしょうか?

「来期は検討するかも」「定期的に連絡してください」と言っていたのに・・・



ここで、少し考えてみてください。


会いたいと思う人とはどのような人でしょうか?


プライベートでは、面白い人、性格の良い人・・・


仕事では?

自分の仕事に有益な情報をくれる人、役に立つ話ができる人・・・端的に言うと、役に立つ人です。

忙しく仕事をしているときに「面白い、性格が良い」だけでは会いたいと思わないでしょう。


この自分の仕事に有益な情報、役に立つ話は、悩みや課題に対するものです。

つまり、自分の仕事の悩みや課題を理解していることが前提で、その悩みや課題に対して有益な情報をくれる人、役に立つ話ができる人です。


そして、自分の悩みや課題を理解している共有している人だから、有益な情報をくれる人、役に立つ話ができる人と思うのです。


すると、定期的に会ってもらう(会いたいと思ってもらう)ためには、顧客の悩みや課題を理解している、共有している人と思わせなければなりません。

つまり、はじめの訪問で顧客の悩みや課題を理解している、共有している人と思わせることで、定期的に会ってもらう(会いたいと思ってもらう)関係ができるのです。


先ほどの例ではどうしていたのでしょう?


「一生懸命、会社の実績、商品の機能や強みを説明してアピール」


顧客との関係を会社や商品を気に入ってもらうことで作ろうとしていました。

顧客の悩みや課題を理解しよう、顧客と悩みや課題を共有しようとしていません。


会社や商品のアピールとは、自分のアピールです。

「自分が面白い、性格が良い(=商品が面白い、良い)」では、忙しく仕事をしている人と定期的に会いたいと思ってもらえる関係を作れないのです。


(問題の答え)

1回目の訪問のときに自分のアピールばかりで顧客と悩みや課題を共有しなかったから



また、はじめの訪問で顧客の悩みや課題を理解していると、定期的に訪問するためのネタも作れます。


悩みや課題を理解していると顧客にとって有益な情報や役に立つ話を準備できます。

悩みや課題に関係する商品やサービス、事例、新聞や雑誌の情報・・・

定期的に訪問するネタも準備でき、そのネタは顧客は自分の悩みに関係するものであるため、聞いてみたい、会ってみたいと思わせることができるのです。


例えば・・・

商品をアピールするだけでなく、「営業社員に一生懸命TELアポをやらせてるんだけど提案件数が増えない」という悩みを聞いていたら、

・営業効率やTELアポ、提案を改善するための商品

・TELアポや提案を増やした事例

・新規開拓営業で成功している会社の情報

・新規開拓営業に関するセミナーの情報

・ ・・・・・

など顧客が興味を持つ様々なネタを考えることができたはずです。


「定期的に訪問するためのネタがない」と言う人が多いのですが、顧客の悩みや課題を知らないからネタを考えられないのです。


あたりまえのことです。相手を知らなければ、相手が興味を持つことも考えられない・・・


顧客との関係は、会社や商品(自分のこと)ではなく、顧客の悩みや課題(相手のこと)の共有で作るものです。

そして、はじめて会った時に課題や悩みの会話をすることで継続的な関係を作ることができるのです。


そもそも、会いたいと思ってもらえる関係があるから、定期的に会えるのです。

つまり、「定期的に訪問して関係を作る」という考え方は間違えているのです。


顧客との関係は1回目に作りましょう。


そのために、はじめて会ったときに会社や商品を気に入ってもらうのではなく、顧客と悩みや課題の会話をして共有しましょう。

「はじめの訪問では顧客の状況や課題を聞けない、定期的に訪問して把握するもの」という人もいますが、はじめの訪問で状況や課題を聞けなければ、定期的な訪問はないのです。

有料会員限定コンテンツです。
会員の方はログインしてください。

​関連するアドバイス

bottom of page