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売上目標をあきらめない活動

目先の案件にこだわらず過去の財産を活用する

2018年1月15日

3月決算の会社では期末まであと3か月・・・売上目標の達成に追われている頃でしょう。

今期の売上はいかがですか?


目標が達成している、達成が見えている場合は良いのですが、あと3か月という状況で見えていないとどうしようもなくなってしまう・・・



ある営業会議のシーン


営業担当Aさんの状況

売上目標:1億円

実績:7,000万円・・・3,000万円足りない

(確度の高い見込案件)

○○社の1,000万円、△△社の500万円

(確度の低い見込案件)

□□社の1,000万円、××社の500万円、◇◇社の500万円


マネージャーBさん

「○○社と△△社を獲得しても8,500万円、1,500万円足りないだろう」

「どうするんだ?」


営業担当Aさん

「□□社を獲得できれば、あと500万円なので」


マネージャーBさん

「この間、□□社は今期の予算をとれないので難しいって言ってたじゃないか」


営業担当Aさん

「でも、□□社をとらないと目標いかないので」


マネージャーBさん

「そりゃそうだけど、□□社はとれるの?」


営業担当Aさん

「もう1回提案してきます」

「予算をとれないと言われているので値引きできませんか?」


マネージャーBさん

「値引きしたら受注できるの?」


営業担当Aさん

「・・・わかりません」

「ただ、□□社を受注しないと売上目標を達成できないので」


マネージャーAさん

「しょうがないな・・・、800万円まで値引きしていいよ」

「あと3か月あるから必ず目標の1億円は達成しろよ」


営業担当Aさん

「はい」


営業会議をみているとこのようなシーンが多い・・・

そして、このようなケースのほとんどが売上目標未達成です。



売上目標達成のために・・・

みなさんが営業担当Aさんだったらどうしますか?

みなさんがマネージャーBさんだったらどのように指導しますか?



たしかに、営業において難しくても売上目標をあきらめないことは大切です。

そのために、確度の低い見込案件を見直しどうしたら受注を獲得できるかを考えることも大切です。


しかし、Bさんの「あと3か月あるから必ず目標の1億円は達成しろよ」に対し、Aさんは「はい」と答えていますが・・・

今期は予算をとれないと言われている案件に対して値引きして再提案するという対策は目標達成を目指していると言えるのでしょうか?達成できると思っているのでしょうか?


Aさんの□□社に再度提案するという対策は、目標をあきらめていないのではなく気休めです。



では、どうしたらよいのか?



ここで少し想像してみてください。


みなさんは経営者です。

あと3か月で1億円の売上を上げなければ会社が倒産して多額の借金を背負うことになります。


・現在7,000万円の売上を上げている

・あと1,500万円は売上を確保できるだろう

・他に見込は2,000万円あるが確度か低い


先ほどのAさんと同じ状況です。

みなさんはこの状況でどうしますか?


(1).確度の高い1,500万円を確実に受注する

(2).確度の低い2,000万円を獲得する方法を考える


その他にもおそらく・・・

(3).受注した顧客や確度の高い顧客から他の案件を獲得しようとアプローチする

(4).今までに訪問した顧客や過去に取引のあった顧客をまわってみる


その他にも、知り合いに紹介してもらえないか聞いてみるなど考えられることはすべてやろうとするでしょう。


なぜなら、会社が倒産して多額の借金を背負うことになるから・・・

目標をあきらめないとはこういうことです。



営業現場では、(1)や(2)の目先の案件だけをみて目標達成を考えている人が多い・・・

その結果、確度(可能性)の低い案件にすがるしかなくなっている・・・



売上目標の達成が難しいときは、自分の財産をすべて振り返り、洗い出してください。


今までの顧客との商談や打合せで入手した情報も財産です。

会社に入ってから会った人、もらった名刺も財産です。


顧客との商談や打合せでどれだけの情報を収集しているでしょうか?

1日に1時間の商談を1回していると、1か月で約20時間、1年で約240時間。

つまり、商談や打合せ(会話)240時間分の情報。


今までにどれだけの人と会い名刺交換しているでしょうか?

月に5人に会ったとしても年間で60人、5年間営業していれば300人。


この240時間分の情報の中で活用している情報はほんの一部です。

ほとんどが、

・関係ない、仕事にならない情報として流している

・手帳や自分の頭の中に埋もれている


300人の名刺の中で活用している名刺もほんの一部です。

ほとんどが、

・会っても意味ない、会えないと思い流している

・整理されていないため活用できない


つまり、今まで苦労して得た情報や会った人のほとんどを使っていないのです。

そして、覚えている情報や人、目先の情報や人だけで売上を上げようとしている・・・

もったいない・・・


関係ないと思い流していた情報も案件を獲得するためのヒントになるかもしれません。

仕事にならないと思い流していた情報も時が経ち状況が変わっているかもしれません。

会っても意味がないと思いほっておいた人も役職やポジションが変わっているかもしれません。

その人の状況も変わっているかもしれません。



売上目標の達成が難しくなったら・・・

(3)のために過去の顧客との商談や打合せを振り返り、入手した情報を洗い出してみてください。

(4)のために今までに会った人の名刺を1枚1枚振返ってみてください。

そして、この(3)と(4)に関する情報をすべて紙に書き出してみてください。


情報を活用できない理由のひとつは明確でない、整理されていないことです。

雑多な情報を収集している営業活動にとって頭の中で考えるだけでなく紙に書き出し整理することは大切です。


そして、洗い出した情報や今までにあった人にもう一度アプローチしてみてください。

なんらか今期の売上目標達成につながる案件を獲得できるかもしれません。



営業は経験を積むほど売上を上げられるようになるものです。


その理由は、能力だけではありません。

多くの商談や打合せをこなし案件や売上につながる情報が増えてくることです。

そして、様々な人に会い、アプローチできる人、利用できる人脈が増えてくることです。

つまり、経験するほど情報や人といった財産が蓄積されてくるから売上が上がるのです。


しかし、現状では多くの営業担当者が目先の案件ばかりで、今まで苦労し得た情報や人などの財産のほとんどが埋もれてしまっていて活用できていません。


この情報や人といった財産はほっておくと陳腐化してしまいます。

定期的に振り返り、整理し、活用することで継続性を保つことができ有効に活用できるのです。



売上が上がっているときは、目の前の案件に一生懸命対応しないといけないでしょう。

売上目標の達成が難しくなったときこそ、過去の財産を振り返り活用する良い機会です。


仮に、今期の売上目標が達成できなかったとしても、

この売上目標をあきらめずに過去の財産を活用しようとする活動が来期以降の継続的かつ効率的な売上向上を実現するのです。

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