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コミュニケーションの改善➀

コミュニケーションの感性はメールで鍛える

2017年1月1日

商品を説明して買ってもらう、顧客の要望を聞いて対応する営業よりも提案型営業、課題解決型営業が必要になっている今日、コミュニケーション力がより重要になっています。


実際に、一生懸命に提案を考え作成しても、提案の入り方や説明、ヒアリングなどコミュニケーションで失敗しているケースが多い・・・


「相手の話や質問に、反応や返答がズレている」

「相手がどのように思うか考えずに説明・質問してしまう」

「相手の状況を考えたら言わない方が良いことを言ってしまう」

「相手の状況を考えたら言った方が良いことを言わない」

「・・・・・」


このコミュニケーション力が課題だとわかっていても「コミュニケーションは感性だから改善できないよ」とあきらめている、手をつけていない人も多い。

本当にコミュニケーションの感性は改善できないのでしょうか?



感性とは何か?


感性とは「外界からの刺激を受け止める感覚的能力」

営業のコミュニケーションにおける感性とは「顧客の発言や反応、表情を受け止め、その裏にある状況や考え、感情を察知する力」

そして、感性の高いコミュニケーション力とは「顧客の発言や反応、表情を受け止め、その裏にある状況や考え、感情を察知し、その顧客の状況や考え、感情に対して適切な反応や説明、質問をする力」



では、感性は鍛えられないのでしょうか?


営業現場でのコミュニケーションは、

・自社や商品を理解してもらいたいという意識が高く、顧客を理解しようという意識が低くなる。

・顧客の発言や反応にその場で対応しなければならず、返答を考える時間がない、また修正できない。

・営業は一人で行動していることが多く、客観的にチェックし指導してもらう機会が少ない。


感性の高いコミュニケーション力の要件は以下の3つです。


・相手の話をよく聞く、相手の表情をよく見る

・相手の話や表情から相手の状況や考え、感情を想像する

・相手の状況や考え、感情に対して適切なアウトプットを考える


感性とは経験によって培われるもの。

つまり、感性を鍛えるためには、

➀.相手の話をよく聞く、相手の表情をよく見る経験の量

➁.相手の話や表情から相手の状況や考え、感情を想像する経験の量

➂.相手の状況や考え、感情に対して適切なアウトプットを考える経験の量

そして➀➁➂に対してチェックし修正する(指導する)ことが必要です。


前述した「自社や商品を理解してもらいたいという意識」「顧客の反応にその場で対応しないといけない状況」「一人で行動することが多い」

という日々の営業活動の中だけで➀➁➂の経験の量を増やし、チェックし修正することが可能でしょうか?



実は、日々の仕事の中で➀➁➂の経験の量を増やし、チェックし修正することが可能な場があります・・・顧客や社内の人から届くメールの返信。


仕事の返信メールは、

・少なくとも毎日数件は返信(相手の発言に対する反応や返答)している(毎日、経験できる)

・相手のメール文章(相手の発言)をじっくり読むことができる

・相手のメール文章に対して状況や考え、感情を想像する時間がとれる

・相手が目の前にいないため想像しないと相手を理解できない

・相手の状況や考え、感情に対して返信メール(アウトプット)を考える時間がとれる

・考えた返信メールに対してチェック・修正する時間がとれる


毎日届くメールを軽く流して、深く考えず事務的に返信している人が多いのですが、(1)(2)(3)の経験の量を増やし、チェックし修正することができる場です。


社内や顧客からメールが届いたときにメールをチェックするだけでなく、

(1).届いたメール文章をじっくり読む

(2).相手のメール文章に対し相手の状況や考え、感情を想像する

(3).相手の状況や考え、感情に対して適切なアウトプットを考えメール文章を作成する

そして、チェックし修正してから返信する・・・



以下のメールで(1)(2)(3)を考えてみてください。


顧客からのメール

2月に訪問した後の再訪アポイントに関する日程変更メール

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お世話になっております。〇〇社の人事部の△△です。


4月5日にお約束しておりました面談日時の件ですが、

急な出張が入ってしまったため日程の変更をお願いいたします。

誠に申し訳ございません。


ご面談日時の件ですが、以下の日程の中でご都合はいかがでしょうか。


・4月15日(火)13:00~15:00

・4月19日(水)13:00~16:00

・4月20日(木)9:00~10:00


ご都合が合わない場合は、再度調整させて頂きますので

その旨をご連絡ください。


私事都合により日程の変更をお願いし恐縮ではございますが

よろしくお願いいたします。

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このメール文章をじっくり読み、相手の状況や考え、感情を想像して複数書き出し、そして、相手の状況や考え、感情を踏まえて返信メールを考えてみてください。


以下、顧客のメールに対する返信メールです。

返信メールAとBを比べてみてください。


返信メールA

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お世話になっております。☐☐社の◇◇です。

ご連絡いただきありがとうございます。


日程変更の件、承りました。


変更後のご面談日程の件ですが、

4月19日(水)13時でお願いします。


お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いいたします。

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返信メールB

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お世話になっております。☐☐社の◇◇です。

ご連絡いただきありがとうございます。


こちらこそ、4月の新入社員のご対応でお忙しいときに

お時間を頂き申し訳ございません。

日程変更の件、承りました。


変更後のご面談日程の件ですが、

4月19日(水)13時

でいかがでしょうか。

1時間ほどお時間をいただけると幸いです。


2月にお話しさせて頂きました、

他社の採用方法と成果の事例をお持ちして

ご参考にしていただけるお話をしたいと思っております。


4月のお忙しいところ恐縮ですが

よろしくお願いいたします。

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返信メールAは、相手の状況や考え、感情を想像せず、単なる日程変更依頼のメールと理解し、用件に対して返信しただけ・・・


返信メールBは、

・相手が人事部で4月は入社対応で忙しい・・・という状況

・前回の訪問から2か月近く経ち記憶があいまいな可能性がある・・・という状況

・採用方法に対して改善する必要性がある・・・という考え

・約束していたからどれぐらい時間がとれるかわからないけどとりあえず・・・という考え

・4月の忙しいときにあまり時間をとりたくない・・・という感情

・多忙で気持ちに余裕がない状況で断定されると返答しにくくなる・・・という感情

を想像し、状況や考え、感情を踏まえて文章や表現方法を考えたメール。



このように毎日返信が発生するメールに対して相手の状況や考え、感情を想像し、返信メールの文章を考え、考えた文章をチェックし修正することを継続していると感性を鍛えるために必要な(1)(2)(3)の経験を日常的に積んでいることになります。


日々の仕事で忙しい中、メールの返信でを継続的に行うのは大変かもしれません。

しかし、半年ぐらい続けると感性が鍛えられてきます。

感性が変わるとコミュニケーションが変わります。

コミュニケーションが変わると営業成果も変わります。


大変かもしれませんが半年だけでも試してみてください。

けっこう変わってくるものです。

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