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ご案内・御用聞き営業と課題解決型営業の違い

顧客の課題を誰が考えるかで営業が変わる

2017年1月1日

「課題解決型営業をやらないといけない」と言いながら・・・

課題解決型営業って何をすれば良いのか?何を改善すれば良いのか?と漠然としている。


「私は、課題解決型営業をやっている」と言っていたが・・・

営業同行してみるとご案内営業、御用聞き営業だった。


このような会社や営業は多いものです。


これは、ご案内・御用聞き営業と課題解決型営業の違いが明確でないからです。

この違いが明確でないと、自分ができているか否か、何を改善すべきなのかがわからないということ。課題解決型営業に変革するためには必要なことです。



では、ご案内・御用聞き営業と課題解決型営業は何が違うのでしょうか?



私は3年前に仕事でタブレットを購入しました。そのときにモバイル端末の営業を受けたときのことです。

当社に来社した営業担当Aさんの会社説明や取扱商品の説明を一通り受けた後、私はAさんに以下の要望を伝えました。


「今使っているノートPCが古くなったので新しいノートPCに買い換えたい」

「今までのPCは重くてかさばるのでなるべく軽くて薄いものがいい」

「外出先でメールやカレンダーだけでなくword、excel、power pointも使う」


その後、当社の事業である研修事業や私の仕事内容を聞かれ・・・


Aさん

「研修や実践指導ではどのような資料を使うんですか?」


「教材やインターネットなど使う資料やデータは多いですよ」


Aさん

「教材はいつも同じものなんですか?」


「クライアントごとに修正することも多いんですよ」


Aさん

「営業活動をしながらだと大変ですね、外出先で教材の修正も必要なんですね」


「そうなんです」


Aさん

「タブレットにキーボードをつければ普通にword、excel、power pointを使えますよ」

「タブレットの方が、薄くてかさばらないし、軽いので外出時に持ち運ぶには良いと思いますよ」


後日、Aさんは、私の利用シーン(仕事内容な作成するデータ)に合わせたタブレット端末や価格を資料にまとめて持ってきました。



これは、御用聞き営業でしょうか?課題解決型営業でしょうか?



一見すると、私の「重くてかさばる」という課題に対して解決策として「軽くてかさばらないタブレット」を提案しているので課題解決型営業のように思われます。


では、次の営業と比べてみてください。



営業担当Bさんの会社説明や取扱商品の説明を一通り受けた後、私はBさんに要望を伝えました。

その後、当社の事業である研修事業や私の仕事内容を聞かれ・・・


Bさん

「研修や実践指導ではどのような資料を使うんですか?」


「教材やインターネットなど使う資料やデータは多いですよ」


Bさん

「教材はいつも同じものなんですか?」


「クライアントごとに修正することも多いんですよ」


Bさん

「営業活動をしながらだと大変ですね、外出先で教材の修正も必要なんですね」

「御社は研修や実践指導以外にサービスはあるんですか?」


「WEBサービスの立上げを考えていて・・・」


Bさん

「どんなサービスですか?」


「WEBサイトに今まで蓄積した営業ノウハウを掲載してクライアントに提供するサービスなんです」


Bさん

「そうすると営業活動でWEBサイトを見せたりすることも必要ですよね」


「そうですね」


Bさん

「そうしたら、軽くてかさばらないだけじゃなくて、今後立ち上げるサイトをお客様に簡単に見せられるものがいいですよね」

「だとしたら、タブレットの方が良いのでは・・・」


そして後日、Bさんは、私の利用シーン(仕事内容な作成するデータ)に合わせたタブレット端末や価格を資料にまとめて持ってきました。



AさんとBさんの営業は何が違うのでしょうか?



答え:課題を私(顧客)と営業担当のどちらが考えているか



AさんとBさんは、どちらも「事業や仕事内容」について聞いています。

違うのは私(顧客)が言っていない「研修や実践指導以外のサービス(WEBサービス)」についてヒアリングしたところです。


Aさんは、私が伝えた要望である「なるべく軽くて薄いものがいい」「外出先でword、excel、power pointも使う」理由を具体的に聞いて、合う商品を提案。


Bさんは、私が伝えた要望である「なるべく軽くて薄いものがいい」「外出先でword、excel、power pointも使う」以外にも他の事業や仕事(WEBサービスの営業)を聞きながら「営業活動でWEBサイトを見せたりすることも必要」という私が気づいていなかった課題を考えて合う商品を提案。


つまり、Aさんの場合は、顧客が考えた課題に関する要望を聞いただけで、Bさんは、要望を聞くだけでなく顧客と一緒に事業や仕事内容から課題を考えています。


Aさんは、「なるべく軽くて薄いものがいい」「外出先でword、excel、power pointも使う」という顧客の要望を理解するためにヒアリングしています。

しかしBさんは、「顧客は何が本当の問題なのか?何が困るのか?」という顧客の課題を考えるためにヒアリングしているのです。



Aさんは、顧客の要望を聞いて合う商品を持ってくるという御用聞き営業

Bさんは、聞いた要望だけでなく顧客の課題と解決策を考えて提案する課題解決型営業



ご案内営業・御用聞き営業と課題解決型営業の違いは、顧客の課題を誰が考えているかです。


顧客の課題を

・顧客だけが考えているか(顧客が考えた課題を営業が聞いてくる)

・営業が考えている、または営業と顧客が一緒に考えているか



営業社員の多くが、顧客担当者から聞いたこと(要望)を信じて営業行為をしています。そして、顧客の課題や要望を顧客担当者に教えてもらおうとしています。


しかし、グローバル化、少子高齢化、競争激化、商品の高機能化、情報化社会・・・

世の中が複雑化し、各企業(顧客)の戦略や施策が複雑化し、各部門による分業化・専門化や部門間の連携が進んでいる中で、自分の会社の課題を的確に把握している顧客担当者がどれだけいるのでしょうか?


経営者であっても現場の状況を的確に把握していない、

購買部門は営業や企画部門の状況を把握していない、

担当者は経営戦略や経営陣の考えまで的確に把握していない。


営業はその把握していない担当者に教えてもらおう、またその担当者から聞いたことを中心に考えようとしているのです。


営業において、顧客の課題とは教えてもらうものではなく、顧客と一緒に考え、気づかせ、理解させ、明確化させる必要があるのです。

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