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会社説明は価値を伝える

強みは何か?お客さんにとって役に立つか?どのように伝えるか?の3段階で考える

2023年11月15日

新規のお客さんに訪問、既存のお客さんから他の部門の紹介をもらって訪問。

はじめに自分の会社を知ってもらおうと会社紹介資料を説明し強みや実績をアピール。


しかし、興味を持ってもらえない、反応が悪い・・・


みなさんの会社説明はいかがでしょうか?



ある日、IT企業リーディングソフトの営業担当Aさんが、不動産会社のセントコーポレーションから問い合わせが入り訪問しました。


問い合わせ内容は・・・


・営業社員が使うノートパソコン100台を購入検討中

・今までIT関係はすべて大手システム会社のアドバイステクノロジーに依頼していた

・今後もネットワークやシステムはアドバイステクノロジーに依頼するけれど、ノートパソコンは価格が高いので他の会社から購入しようと探している



リーディングソフト(Aさんの会社)は・・・


(現在の事業内容)

・モバイル事業:ノートパソコン、スマートフォンの販売

・オフィス機器事業:複合機、プロジェクターなどオフィス機器の販売

・ソリューション事業:グループウェア、WEB会議、CRMなどの販売


(拠点と組織)

・東京本社、名古屋、大阪、福岡、札幌を中心に全国20拠点

・カスタマーセンターがあり、各拠点のサポートスタッフと連携しすぐに顧客対応できる


(実績)

・中堅から準大手企業を対象に取引先が200社

・モバイル、オフィス機器、ソリューション事業と総合的に支援している企業が多い

・社長の人脈で金融業界最大手のポータル銀行とノートパソコン、複合機、グループウェア、WEB会議からCRMと幅広く取引している



セントコーポレーション(お客さん)は・・・


・マンションの開発・販売会社

・設立10年で急成長している

・社長は大手不動産会社出身でまだ40歳

・東京本社、名古屋、大阪に拠点がある

・来期に仙台、静岡、広島に拠点を立ち上げる予定



Aさんは訪問前に先輩からアドバイスをもらいました。


「価格勝負になると他の会社に負けるからうちの強みをしっかり伝えるように。


・モバイル、オフィス機器、ソリューション事業と総合的に支援できること

・拠点の多さとこまめなサポート体制

・総合的に支援している企業が200社あること

・金融業界最大手のポータル銀行との取引


この4つがうちの会社の強みなんだからしっかり伝えてくるように」



そして、Aさんはセントコーポレーションを訪問。


名刺交換して軽く会話をしながら用件を確認した後に、会社紹介資料を渡し説明をはじめました。


「それでは、簡単に当社についてご説明させていただきます」

「当社は設立15年で、ノートパソコンから複合機やプロジェクター、ソフトウェアと企業様のIT環境を総合的に支援している会社です」


「当社の代表取締役が大手システム会社で新規事業を立ち上げて責任者を務め、その後設立しました」

「当社の代表は大手システム会社のときに・・・」


「事業内容としては、

ノートパソコン、スマートフォンの販売といったモバイル事業

複合機、プロジェクターなどオフィス機器の販売といったオフィス機器事業

そして、グループウェア、WEB会議、CRMなどのソリューション事業

の3つの事業領域で企業様のITに関するお困りごとを総合的に支援しています」


「モバイル事業では・・・」「オフィス機器事業では・・・」「ソリューション事業では・・・」


「営業やサポートの拠点は、

東京本社、名古屋、大阪、福岡、札幌を中心に全国20拠点で全国をカバーできる体制を整備しています」

「この5年間で拠点数が・・・」


「組織体制は、

各拠点に営業と技術サポートスタッフが配置し、その他にカスタマーセンターを持っています」

「カスタマーセンターと技術サポートスタッフが連携して全国でこまめに対応できる体制を整備していて、何かありましたら全国どこでも技術サポートスタッフすぐにかけつけられるんです」


「また、技術サポートスタッフは社内で教育し・・・・」


「取引先としては、

中堅から準大手クラスの企業様が200社あり、ほとんどの企業様とモバイル、オフィス機器、ソリューション事業と幅広くお取引させていただいています」


「また、金融業界最大手のポータル銀行様ともお取引させていただいて、ノートパソコン、複合機、グループウェア、WEB会議からCRMと総合的に支援させていただき・・・」



と説明していたら15分が経ち、一通り説明したあとにAさんは、

「何かご質問はありますか?」


お客さん

「いえ、ありません」

「ノートパソコンの説明をお願いできますか?」


Aさんは「反応が悪い」と思いながらノートパソコンの説明に移りました。



なぜ、反応が悪かったのでしょうか?

Aさんの会社説明でどこが良くなかったのかを探してみてください。



別の日に営業担当Bさんがセントコーポレーションを訪問しました。


Bさんは訪問する前に会社説明について考えていました・・・



うちの会社の強みは?


・モバイル、オフィス機器、ソリューション事業と総合的に支援できること

・拠点の多さとこまめなサポート体制

・総合的に支援している企業が200社あること

・金融業界最大手のポータル銀行との取引



この強みはお客さんにとって役に立つのだろうか?


セントコーポレーションは、設立10年で急成長、来期に仙台、静岡、広島に拠点を立ち上げる予定。


ということは、短期間で複数の拠点を立ち上げるので、本社の総務部や情報システム部が面倒を見切れないだろう。

総務部や情報システム部の代わりに対応できる「拠点の多さとこまめなサポート体制」は役に立つはず。


セントコーポレーションは、マンション販売会社。


ということは、モデルルームを頻繁にあちこちに新設している。

広範囲ですぐに対応できるという「拠点の多さとこまめなサポート体制」は役に立つだろう。


セントコーポレーションは「今後もネットワークやシステムはアドバイステクノロジーに依頼」と言っていた。

うちの会社にはノートパソコンしか期待していないだろう。


ということは、「総合的に支援できること」と「総合的に支援している企業が200社あること」、「金融業界最大手のポータル銀行との取引」は今のところ役に立たないだろう。


ただ、今まで大手のアドバイステクノロジーと取引しているから、会社の信用力は気にするかも。

「金融業界最大手のポータル銀行との取引」は信用力の点で役に立つかな。



では、お客さんにどのように伝えようか?


急成長している会社の支援が強いと思ってもらいたいので、取引先は「中堅から準大手」と言うのではなく

「成長して大きくなってきたベンチャー企業」が多いと伝えよう。


サポート体制が役に立つと思ってもらいたいので、「全国でこまめにすぐに対応できる体制」と言うだけでなく

「総務部や情報システム部の代わりにITの手配や調整も対応し拠点の立ち上げや移転を支援している」と伝えよう。

その根拠として

「拠点の立ち上げではITの手配や調整が大変なので、総務部や情報システム部の人数が少ないベンチャー企業は手が回らなくなる」「だから当社の取引先は成長して大きくなってきたベンチャー企業が多い」と伝えよう。


総合的に支援できることについては興味を持たれないと思うので、「3つの事業領域」だけ説明して実績や事例は説明しないでおこう。

ただ、信用力を理解してもらいたいので「金融業界最大手のポータル銀行との取引」だけは言っておこう。



そして、Bさんはセントコーポレーションを訪問して会社説明・・・


するとお客さんは、

「御社は各拠点でのITの手配や調整も対応してくれるの?」

「新しいパソコンを配布すると問い合わせが多くて大変なんですよ」



お客さんにとって会社説明とは、お客さんにとって役に立つかどうかです。


お客さんにとって役に立つかどうかを考えて説明し「この会社は役に立つかもしれない」と期待させるものです。

つまり、会社説明はお客さんにとっての価値を説明し期待させるもの。


当然のことですが、お客さんは事業も仕事も人の考え方も1社1社異なります。

そのため、役に立つかどうかも1社1社異なります。

会社説明は、お客さんに合わせて1社1社変えないといけないのです。



会社説明で「この会社は役に立つかもしれない」と期待させることができれば、そのあとの商品説明で興味を持たせることも、課題を聞き出すこともやりやすくなるのです。


そのため、会社説明は下の3段階で考えましょう。


①.会社の強みを洗い出す「うちの会社の強みは何か?」

②.お客さんにとって強みが役に立つかを考える「お客さんにとって役に立つか?」

③.伝え方(説明の内容と方法)を考える「どのように伝えるか?」



お客さんを無視して一方的に伝えたいことを説明し、どのお客さんにも同じ会社説明をしている営業の人が多く見受けられます。


みなさんはいかがでしょうか?


会社説明は「うちの会社の強みは何か?」「お客さんにとって役に立つか?」「どのように伝えるか?」の3段階で考え、お客さんにとっての価値を伝えましょう。

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