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顧客の課題とは?(顕在課題と潜在課題)

今日の営業は潜在課題をターゲットに考える

2018年12月15日

「新商品をリリースしたので売らないと」「取引先を増やさないといけないから新規顧客に提案しないと」

でも、なかなか売れない。


商品を紹介してるけど、顧客に「間に合っている、必要ない、予算がない」と言われてしまう。

そして、営業会議で「この商品はニーズがないから売れない」


しかし、他の商品を紹介しても「間に合っている、必要ない、予算がない」と言われてしまう。

その結果、「うちは商品力がないから・・・」


本当に商品力の問題なのでしょうか?

営業のやり方は間違えていないのでしょうか?



商品力の前に、顧客は課題やニーズがなければ買いません。

少し、顧客の課題やニーズについて考えてみましょう。



辞書で調べてみると・・・

「課題」とは、解決しなければならない問題

「ニーズ」とは、要求、需要、必要


顧客が買うということは、解決しないとならない問題である課題が発生し、その問題に対して要求、需要、必要というニーズが発生し、物やサービスを買うということです。


つまり、はじめに課題が発生しなければ買いません。



では、課題はどのようなときに発生するのでしょうか?



「みなさんは、どのようなときに物やサービスを買っていますか?」

ここ1か月間で買った物やサービスを書き出してみてください。


①.毎月の水、電気、携帯電話の通信(水道光熱費、通信費)を買った。

②.スーパーで夕食の材料を買った。

③.昼休みに弁当を買った。

④.仕事用の靴が傷んだので新しい靴を買った。

⑤.最近、太ってきたので運動のために自転車を買った。

⑥.妻の誕生日だからと奮発して高級ステーキを買った。

⑦.引っ越しをして家が広くなったので家具を買った。

⑧.来年から子供が高校受験、その前に家族でスキー旅行に行った。(スキー旅行を買った)

⑨.スキー旅行に行くために、子供のスキー用品を買った。

⑩.・・・・・


1か月あれば実に多くの物やサービスを買っています。


この物やサービスを買うという行為は大きく2つのパターンに分かれます。


「継続的に発生する課題に対し物やサービスを買う」

①~④は今まで通りの生活をするために必要だから物やサービスを買っています。


「状況の変化に伴い発生する課題に対し物やサービスを買う」

⑤~⑨は、今までは必要がなかったけれど状況が変わり新たな課題が発生したために物やサービスが必要になり買っています。


「継続的に発生する不変の課題に対して買う」

「変化に伴い発生する新たな課題に対して買う」


事業や商品の変化、戦略や計画の変化、新人の入社や体制の変化、仕事内容の変化、管理方法の変化、採用や評価方法の変化、市場環境や競合の変化・・・


民間企業や官公庁・自治体、大学や高校といった文教機関、病院や介護施設といった医療機関などの法人では、多くの変化が発生し、発生するサイクルも短くなっています。


変化が増え、変化に伴い発生する新たな課題も増えている・・・



では、変化に伴い増えている新たな課題とはどのようなものか?

引っ越しのときに発生する課題について考えてみてください。


・家が広くなったために今までの家具では合わないという課題

・リビングが広くなったのでテレビが小さいと感じる課題

・毎日行っていた買い物をスーパーが遠くなったので週末にまとめて行かないといけないという課題

・子供部屋ができたので今までよりも掃除に時間がかかるという課題

・近所の人が変わり、新たに関係を作らないといけないという課題

・ ・・・・・


引っ越しというひとつの変化に対し多くの課題が発生しています。

その発生する多くの課題には、4つの種類があります。


「明確に理解し、物やサービスを買おうとする課題」

部屋が広くなり、今まで使っていた小さい家具では来客時に印象が悪いので、新しい家具を買わないといけない。


「他の課題と比べて優先順位が低いので後回しにする課題」

家具は買わないといけない。しかし、テレビはとりあえず見ることができるので、引っ越しにお金をかけすぎたこともありしばらく我慢する。


「気づいているが、明確でないために物やサービスを買わない課題」

子供部屋ができ掃除に時間がかかることはわかっている。しかし、どのくらいかかるかはわかっていない。そのため新しく買わないで今の掃除機で対応する。


「その時に気づいていないために物やサービスを買わない課題」

週末に自転車で買い物に行こうと思っている。しかし、実際に買い物に行ってみると食べ盛りの子供の食材だけで自転車のかごがいっぱいになり1回で運べない。後から車が必要と気づく。



個人営業と法人営業(組織に対する営業)の大きな違いは、様々な人が関係することです。


その様々な人が関係する組織では、関係する人全員が明確に理解できる課題は少なく、個人の課題と比べて、組織として明確でない課題、気づいていない課題がより多くなります。


また、投資するための予算も限られています。課題が増え、予算が限られるということは、優先順位が低く投資できない課題が増えるということです。



優先順位の低い課題が増える。(=後回しにしようとする課題)

気づいているが明確でない課題が増える。(=解決しようとしない課題)

気づいていない課題が増える。(=解決しようとしない課題)

その結果、明確に理解し、予算を確保して解決しようとしている課題の割合が下がる。



市場環境が変われば、事業や商品も変えなければなりません。

事業や商品が変われば戦略も変えなければなりません。

戦略が変われば営業の体制や方法も変えなければなりません。


みなさんの会社の営業部の課題や問題を洗い出してみてください。


営業担当者の人数の問題、スキルの問題、マネジメントの問題、体制の問題、戦略や計画の問題、他部門との連携の問題、ナレッジや情報共有の問題、サポートの問題、業務量の問題、環境の問題、評価やモチベーションの問題・・・

非常に多くの課題や問題が出てくることでしょう。


その中で、組織として明確に理解し、予算を確保して解決しようとしている課題はどのくらいありますか?

ほんの一部しかないのでは・・・



「商品を紹介して売る」「検討していることを聞く」という営業では、ほんの一部しかない、明確に理解し、予算を確保して解決しようとしている課題にしか通用しません。

当たり前です。

課題に気づいていないのに商品を紹介されても買いません。課題に気づいていなければ検討していることもありません。


変化が激しく予算を抑えている状況では、顧客が明確に理解し、予算を確保して解決しようとしている顕在課題をターゲットにした営業では、限界があります。

優先順位が低い、明確でない、気づいていないという潜在課題をターゲットにした営業が必要になってきています。


「商品を紹介して売る」「検討していることを聞く」という顕在課題をターゲットにした営業ではなく、潜在課題をターゲットにした「課題を気づかせる、明確にさせる、優先順位が高いと理解させる」営業に取り組みましょう。


それに、顕在課題をターゲットにした営業では、潜在課題に対する受注はとれませんが、潜在課題ターゲットにした「課題を気づかせる、明確にさせる、優先順位が高いと理解させる」営業は、顕在課題に対する受注もとれるのです。

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