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無駄やミス、トラブルを減らす方法

毎朝30分と帰る前15分の5W1Hが仕事を楽にする

2017年11月15日

「仕事に追われて大変」「忙しくて時間がない」

多くの会社で営業担当者や営業マネージャーが苦労していることです。



営業担当Aさんが月末の営業会議が終わって、

「上司から新規訪問してないって怒られたけど、訪問する時間なんかありませんよ」



たしかにAさんはいつも忙しそうにしていました。

なんとか新規訪問の時間をとれないかAさんの1か月の仕事をチェックしてみたところ・・・


①.受注間際に価格交渉が発生

顧客訪問が2回、上司との打合せが3回、技術部との打合せが2回、顧客への説明資料の作成で、

計12時間


②.契約書の交渉が難航

顧客とのメールのやりとりが5回、法務部へ報告・相談が5回、上司への報告・相談が3回で、

計10時間


③.売上金の未回収が発生

支払をしてくれない顧客の対応で上司との相談が3回、顧客訪問が2回、財務部への報告が4回、報告書の作成が2回で、

計13時間


④.顧客訪問に対する報告書の指導、作り直しが多い

報告書を提出した後に上司から呼び出された回数が3回、報告書の作成と修正が5回で、

計5時間


=全部で40時間・・・5日分(1週間分)


何も問題がなければ、5日分新規訪問ができたはず・・・

なぜ、5日分も費やしたのでしょうか?



上の①~④の原因を調べてみました。


①は、顧客に要求された機能の追加を技術部に報告していたが原価を確認していなかった。しかも上司にも報告していなかった。

そのため、利益率が下がってしまい受注間際に顧客に値上げをお願いしたが受け入れられず交渉が難航。


②は、顧客に契約書を送っただけで契約内容の趣旨を説明していなかった。趣旨のわからない顧客から複数箇所を修正するよう依頼され、修正依頼の理由も確認せずにそのまま法務部に回したため理由を確認するよう指示されて、顧客に理由を聞いて法務部に相談したが受け入れられないものが多く再度顧客と調整。

・・・何度も契約書のやりとりが発生。


③は、受注欲しさに顧客に対し品質の条件をあいまいにしていた。3か月後に財務部から未回収になっているとの連絡をもらい、顧客に確認すると品質に問題があるとクレーム。

・・・その結果、売上金の回収で交渉が何度も発生。しかも値引きも発生。


④は、報告書に「見込み無し」「競合に負けそう」「納期が間に合わない」という事実や状況ばかりで理由や対策が記載されていない。

そのため商談内容の確認や対策について上司から何度も呼び出されていた。



もし・・・


①に対して、

機能追加の要求があった時に、技術部に原価を確認し、上司と価格について相談し顧客に伝えていたら?

受注間際の12時間の仕事は発生しなかったでしょう。


②に対して、

はじめに契約書の趣旨を顧客に説明していたら?顧客に修正依頼の理由を確認し法務部と相談していたら?

契約書をやりとりする回数、相談する時間が減り、5時間ぐらいは削減できたでしょう。


③に対して、

事前に品質に関する条件を顧客に伝えていたら?後で証拠になよう資料に記載し提出していたら?

売上金の回収に関する13時間の仕事は発生しなかったでしょう。


④に対して、

事実や状況だけでなく理由や対策を考え報告書に記載していたら?常に上司に報告や相談をしていたら?

上司からの呼び出しがなくなり4時間ぐらいは削減できていたでしょう。


つまり、

顧客や上司、技術部、法務部に対し報告・相談・確認しながら仕事をしていたら?

あらかじめ、状況を整理し問題と対策を明確にして仕事をしていたら?

・・・35時間は削減できていたでしょう。



実は、多くの営業担当者の時間が無駄やミスで費やされています。

ちゃんとやっていたら発生しなかった仕事・・・

1回で済む仕事が2回、3回・・・

1時間で済む仕事が2時間、3時間・・・



営業という仕事には大きな3つの特徴があります。


(1).様々な人との関わりで成り立つ仕事

営業は、受注を獲得し、契約を締結し、商品を提供し、売上金を回収する仕事。

つまり、顧客や上司、法務部、技術部や生産部、財務部など様々な人との関わりの中で行う仕事であり、そのため様々な人の理解や協力が必要な仕事です。


(2).流動的な仕事

営業は、報告や調整、引き合いやトラブル・・・いきなり入ってくる仕事が多く計画通りにいかない仕事。

急に仕事が入ってくる、常に状況が変わるため、場当たり的になりやすく、その結果、無駄やミスが発生しやすい仕事です。

そのため、毎日、仕事を整理し、確認し、計画の見直しや段取りを考えることが大切です。


実際に、目の前の仕事に追われ他の仕事を後回しにし、その仕事が終わると後回しにしていた仕事に追われ、後回しにしたため状況が悪化し、また他の仕事を後回し、いつまで経っても目の前の仕事に追われ、後手になり、ミスやトラブルが発生してさらに大変に・・・というシーンが多く見受けられます。


(3).一人で行動することが多い仕事

商談や提案など一人で考え行動することが多い仕事。

一人で考え行動するため、第三者のチェックを受けづらく、ミスがあっても気づきにくい、仕事のやり方を改善したり精度や効率を上げにくい仕事です。

そのため、他の仕事よりも報告・相談・確認が重要になります。


この3つの特徴をもつ営業では、特に整理・報告・相談・確認が大切です。



みなさんは日々、整理・報告・相談・確認できていますか?



多くの営業担当者や営業マネージャーが、

朝出社して、その日の仕事とメールをチェックして、打合せ、資料作成、電話対応とすぐに仕事にとりかかっている・・・

そして、提案書の作成や打合せなどその日の仕事が終わると、机の上を片付けて帰っていく・・・


仕事の整理や確認、問題点や対策を考えるために、まとまった時間をとっていません。

そのため、仕事が場当たり的になってしまい、報告や相談を忘れ、後回しになり、問題に気づかないまま仕事を進めてしまっています。

その結果、ミスやトラブルが発生・・・



毎朝出社したらすぐに仕事にとりかからず、30分は仕事を整理・確認し、仕事の進め方や問題点について考えましょう。

仕事が終わったらすぐに帰らず、15分はその日の仕事を整理・確認し、翌日の仕事や問題点について考えましょう。


毎日、出社し仕事を始める前、仕事が終わり帰る前・・・

・自分の仕事(What)をすべて洗い出し、整理する

・仕事の理由や目的(Why)を考え、明確にする

・誰に報告・相談しないといけないか(Whom)を考え、明確にする

・いつ(When)やるかを考え、明確にする

・どのシーンで(Where)をやるかを考え、明確にする

・どのように(How)やるかを考え、明確にする


営業は、様々な人との関わりで成り立つ仕事であり、流動的な仕事で、そして、一人考え行動することが多い仕事です。

What、Why、Whom 、When、Where、Howを毎日考え、明確にすることは大切です。

※一般的に5W1Hは、WhomでなくWho

忙しくなると仕事に追われ、整理・報告・相談・確認を怠り、すぐに仕事にとりかかろうとしてしまいます。

その結果、無駄やミスが発生し余計に忙しくなる・・・


「上司から新規訪問してないって怒られたけど、訪問する時間なんかありませんよ」と言う前に、1か月の仕事と費やした時間を振り返ってみてください。

仕事を大変にしているのは自分かもしれません。

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