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説得力の6つの要件「明確さ」

結・起・承・転・結で伝えたいことをはじめに明確にする

2020年9月15日

今日の営業は、商品を説明すれば買ってもらえるわけではありません。

課題や商品の必要性、価格や納期、条件・・・説得しなければならないことがたくさんあります。


しかし、相手が気づいていないことを気づかせる、反対意見を理解・納得させることは容易なことではありません。



求人広告の営業担当者Aさんが、お客さんに会社やサービスの強みを理解させようと説明していました。


お客さんは、今まで競合他社の求人広告を使い、採用できているようで満足していました。

自分の会社の求人広告の方がより採用できることを理解させ切り替えてもらいたい・・・


営業担当者Aさん

「それでは、当社の求人広告の特徴を説明させていただきます。

当社は20年以上、人材紹介・派遣・求人広告事業と人材ビジネスに関して総合的に展開していて、特に求人広告は創業時にスタートしておりまして、

そのため、掲載企業数も大手企業を中心に常時2,000社を超えていて、株式会社abcd様やefg株式会社様も掲載し採用していただいています。

掲載企業に大手企業様が多いので登録者も10,000名を超えていて、他社と比較しても多くのアクティブな求職者が登録しています。

また、ご存じかもしれませんがテレビCMやSNSでの広告に力を入れているため、若年層の登録者が非常に増えています。」



みなさん、ここで考えてみてください。


Aさんはお客さんに何を理解してもらいたかったのでしょうか?

競合他社から切り替えてもらうために、何が優れていると理解させようとしていたのでしょうか?


・人材ビジネスに関して総合的に展開している

・求人広告は創業時にスタートし長年提供している

・大手企業を中心に掲載社数が常時2,000社を超えている

・株式会社abcd様やefg株式会社様も掲載し採用している

・登録者が10,000名を超えていて多い

・テレビCMやSNSでの広告に力を入れている

・若年層の登録者が非常に増えている



Aさんが理解させたかったことは「登録者が10,000名を超えていて多い」ことでした。

「人材ビジネスに関して総合的に展開」「求人広告は創業時にスタートし長年提供」ということから

「大手企業を中心に掲載社数が常時2,000社を超えている」ことを理解させて、

その結果「登録者が10,000名を超えていて多い」ことを理解させようとしていました。


また、「若年層の登録者が非常に増えている」ことを理解させようとしていたのです。

そのために「テレビCMやSNSでの広告に力を入れている」ことを説明していました。


つまり、Aさんがお客さんに理解させたかったことは

・登録者が10,000名を超えていて多いこと

・若年層の登録者が非常に増えていること


この2つを理解させて、競合他社よりも採用できると説得しようとしていました。



しかし、説明した後のお客さんの反応は・・・

「abcd社やefg社も掲載しているんですか、abcd社やefg社だったら応募者も多いでしょう」

「何人ぐらい募集しているんですか」

とabcd社やefg社の採用状況ばかりで、登録者が多いことや若年層の登録者が増えていることには興味をもってもらえませんでした。


そして、会社に戻り上司への報告で・・・

「採用がうまくいっているみたいで興味なさそうでした」


採用活動を効率的に行うための登録者数が多い求人広告、若年層の登録者が増えている求人広告は興味を持つはずなのに・・・



Aさんの説明はどこが良くなかったのでしょうか?



同僚の営業担当者Bさんが、他のお客さんに会社やサービスの強みを理解させようと説明していました。


「当社の特徴は2つあります。

ひとつは、登録者数が10,000名を超えていて多いこと、

もうひとつは、登録者の中で若年層が増えていることです。

というのは、

当社は20年以上、人材紹介・派遣・求人広告事業と人材ビジネスに関して総合的に展開していて、特に求人広告は創業時からスタートしております。

そのため、株式会社abcd様やefg株式会社様など大手企業を中心に常時2,000社を超える企業様に掲載していただていて、大手企業の掲載が多いため他社と比較しても多くのアクティブな求職者が登録しています。

また、ここ数年、テレビCMやSNSでの広告に力を入れているため若年層の登録者が非常に増えています。」



するとお客さんは、若年層の登録者が増えていることに興味を持ち・・・

「若年層の登録者は、全体の登録者数の中でどのくらいの割合なんですか?」



AさんとBさんの説明の違いは?

AさんもBさんも話していることは同じです。しかし順番が違う・・・


Aさんの説明の順番は、起→承→転→結です。

Bさんの説明の順番は、結論を伝えてから起→承→転→結になっています。つまり、結→起→承→転→結。



Bさんの説明の場合、はじめに一番理解してほしいことを明確に伝えているため

お客さんに「登録者が10,000名を超えていて多いこと」「登録者の中で若年層が増えていること」の2つを意識させることができ、その理由として説明を聞かせています。


しかし、Aさんの説明は、最後まで聞かないと理解させたいことがわからない・・・


そのため、

「人材ビジネスに関して総合的に展開」「求人広告は創業時からスタートし長年提供」「大手企業を中心に掲載社数が常時2,000社超」「株式会社abcd様やefg株式会社様の採用状況」「登録者が10,000名を超えていて多い」「テレビCMやSNSでの広告」「若年層の登録者が増えている」

説明を聞いているお客さんは、理解させたいことではなく、途中で気になったことに興味を持ったり、重要視したりしてしまう。



相手を説得するためには、理解してほしいことを明確に伝えることが大切です。

そのため、一番理解してほしいことは途中や最後ではなく初めに伝えること、そして、長々と説明するのではなく「これとこれです」と端的に(短く、わかりやすく)伝えることが大切です。


前置き、理由や背景の説明から入り、何を言いたいのか、伝えたいのかわからないという説明が多く見受けられます。

そのため、伝わらない、理解してもらえない・・・


良くないとわかってはいてもなかなか直らない・・・という人も多いと思います。

結論から話す、端的に伝える力を身につけるための方法があります。


準備せずいきなり説明するのではなく、また頭の中で話す内容や順番を考え準備するのではなく

・話すことをすべて書き出し、その中で本当に伝えたいことを探す。

・伝えたいことを、どうしたら短く、わかりやすく伝えられるかを考える。


この2つを続けていると、結論から話す、端的に伝える力が身についてきます。

つまり、明確に伝える力が身につきます。



説得力は営業の成果を左右するものです。

そして、その説得力には明確に伝える力が必要です。


ぜひ「結論から話す、端的に伝える力を身につけるための方法」を続けてみてください。

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