top of page

強みを理解させる方法②

強みは半分説明して隙を作り、半分突っ込ませて理解させる

2021年12月15日

営業では会社や商品の強み、競合他社と比べた優位性などお客さんにアピールし理解してもらいたいことがたくさんあります。


・商品の機能や精度

・技術力や企画力

・価格の安さや料金体系

・不良品やトラブルが少ないこと

・商品ラインナップや事業領域などお客さんの要望への対応力

・サポート体制やカスタマイズなど柔軟な対応

・ノウハウや人材力

・信用してもらうための商品の導入実績や事例

・強みを理解してもらうための商品や会社のバックグラウンド

・ ・・・・・


みなさんはこれらの強みをどのように説明(アピール)していますか?

アピール(自慢)の方法についてプライベートの会話から考えてみましょう。



ある日、Aさんは友人のBさんと飲みに行きました。

Bさんが中小企業診断士の資格試験に合格したのでお祝いに・・・


久しぶりだったので、少しお互いの近況を話したあと、


Aさん

「中小企業診断士の資格って難しいんだろ。1回で合格するなんてすごいな」


Bさん

「そうなんだよ、難しかったよ」

「司法試験ほどではないけど国家資格の中ではけっこう難しい資格なんだ」

「司法試験がSランク、あと司法書士とかがAランクで、中小企業診断士はBランクだけど、社労士と同レベルだから」

「俺が勉強を始めたのは今年の2月ぐらいだったから10か月で受かったんだ。一般的に2年から3年かけて合格する人が多い中でかなり頑張ったよ」

「今年の2月に参考書を一気に買って始めたんだけど、7科目もあるんだよ。経済学、財務・会計、企業経営理論、・・・、いやー、大変だった」

「しかも、ただの10か月じゃなくて学校も通わないで独学で10か月での合格だから。学校に通いながら受験する人が多い中で珍しい方だと思うよ」

「それに昨年からのコロナ禍で将来に不安を抱えている人が増えて、今年は受験者数も多かったみたい。例年だと合格率が5%ぐらいらしいけど、今年はさらに低かったと思うよ」

「俺、大学のときから試験は強かったからな。試験前の集中力は他の人と比べても高いみたいで」

「大学の試験前の勉強でもいつも・・・」


Aさん

「・・・、そうなんだ・・・、すごいね」



Bさんは、自分の思いつく限りの自慢を一気に説明しています。

みなさんが友人からBさんのように自慢されたらどう思います?


おそらく、聞くのが面倒に思う、またはうざったいと思う、あるいは半分聞いていない、聞き流す・・・のではないでしょうか。



では、営業のときのお客さんへの商品のアピール(自慢)はいかがでしょうか?



たとえば、店内に設置するカメラで人の行動や顔を撮影して、防犯センターで監視できるシステムをアピールするとき。


カメラとシステムの構成を説明した後で・・・

・他社製品と比べて画像の精度が高く人の表情まで検知できる。

・録画時間が長いので一定期間の画像を保存し後で確認できる。

・同時に多数のカメラを設置し防災センターで一元管理できる。

・他社製品と比較した画像精度や録画時間のデータ。

・人の表情でストレスや緊張を計測できるので犯罪を起こしそうな人を事前に検知し対応できる。

・大手〇〇社のソフトウェアを導入しているのでトラブルが少なく、仮にトラブルが起こってもすぐにサポートできる。

・実績としては、小売業、サービス業を中心に100社以上に導入されていて、導入先も大手企業が多い。

・ ・・・・・


といったように一気に全部説明しようとしている営業が多い。

Bさんの中小企業診断士の自慢のように・・・



自慢するときは一般的に・・・


Aさん

「中小企業診断士の資格って難しいんだろ。1回で合格するなんてすごいな」


Bさん

「そうなんだよ、難しかったよ」

「司法試験ほどではないけど国家資格の中ではけっこう難しい資格なんだ」


Aさん

「そうなんだ、俺、社労士は2回目で受かったんだけど、社労士と比べるとどうなの?」


Bさん

「社労士も中小企業診断士も国家資格の中でBランクだから同レベルみたい」

「中小企業診断士も社労士と同じく2回から3回ぐらいで合格する人が多いみたいだよ」


Aさん

「へー、1回で合格なんてすごいね。学校とか通ったの?」


Bさん

「仕事でなかなか時間もとれないし、お金もけっこうかかるから独学で頑張った。仕事終わってから毎日勉強。7科目もあるから大変だったけど1年で合格してよかったよ。さすがに2年はできない」


Aさん

「仕事が終わってからの時間だけでよく受かったな」


Bさん

「俺、意外と集中力があるみたい。大学のときも試験前に集中してやるだけで単位を落とさなかったし」


・・・・・・



一部を説明して相手に突っ込ませて、さらに説明、そして突っ込ませて、また説明・・・


一気に説明すると相手は・・・

・全部を表面的にしか理解できない

・一方的な長い説明は聞いていて疲れる、集中できない


また、一気に説明すると・・・

・相手の反応がわからない

・相手の興味のある部分とない部分がわからない

・相手の興味に合わせた説明ができない


人は他人から聞くより、自分で考えたことの方が深く理解するのです。

そのため、説明するだけでなく、相手に考えさせることが大切です。


つまり、強みを理解してもらうためにはお客さんに考えさせ突っ込ませることが大切です。



強みについて考えさせ突っ込ませるためには下の4つのポイントをおさえて説明しましょう。


●お客さんが興味を持つことを選ぶ

強みや競合他社と比べた優位性の中でお客さんが一番興味を持ちそうなことをあらかじめ考えておく。


●半分説明、半分突っ込ませる

あらかじめ考えた一番興味を持ちそうなことをはじめに説明し、お客さんに質問や意見などを言わせ突っ込ませる。


●お客さんに合わせた説明

お客さんの同業の例や類似課題に合わせながら説明、また「御社の場合・・・」といったように商品目線ではなくお客さんの目線での説明。

※商品説明>「顧客視点の商品説明」参照


●ソフトな話し方

「です」「ます」と言い切る、また「いかがでしょうか?」「何かご質問はありますか?」という硬い質問ではなく「ですよ」「ようです」「ですよね」と突っ込ませやすいソフトな話し方。

※コミュニケーション>「限定質問で顧客の情報を聞き出す」参照



みなさんが友人に自慢(アピール)するときにどうしていますか?

ほとんどの人が一部を説明し相手に突っ込ませながら説明しています。


しかし、営業では・・・

・強みは全部説明しないといけないと思っている

・考えさせることを忘れて説明に終始してしまう

そのため、一気に全部説明し、ちゃんと聞いてもらえないし、うざったいと思われてしまう。



お客さんに強みを理解してもらいたいのであれば、説明して理解させるより、考えさせて理解させることを心がけましょう。


そのためには、全部説明するのではなく「半分説明、半分突っ込ませる」です。


仮に突っ込んでもらえなかったら、後で説明すればよいのです・・・お客さんとの商談の時間の中ではいくらでも説明するチャンスがあるのですから。

「すみません、先ほど言い忘れたのですが・・・」と後で説明するチャンスはいくらでもあります。


大切なことは、全部説明しない、半分だけ説明して、お客さんに考えさせ突っ込ませる”隙”を作ることです。

有料会員限定コンテンツです。
会員の方はログインしてください。

​関連するアドバイス

bottom of page