営業の仕事の3つの種類
営業改革では交渉業務、社外業務と考察業務の環境を整える
2019年11月15日
昔と今を比べると営業は大きく変わってきています。
「ご案内営業、御用聞き営業、リレーション営業」から「課題解決型営業、戦略営業」。
変 わっているのに環境が変わっていない・・・
ある営業マネージャーが悩んでいました。
うちの営業は・・・
「提案書をちゃんと作れない」「戦略や計画を考えない」「提案書や計画書を作ってきてもいい加減だし」「・・・・・」
「ちゃんと考えて作れよ」と指導すると、
「そんなこと言ったって時間がないですよ」「働き方改革で残業を減らせって言うし、売上を上げろって言われるし」
と言う部下。
そして、マネージャーは、
「けっこう社内にいるじゃないか」「俺が若いころはほとんど外出で社内にいられなかったぞ」
なぜ、社内にいる時間があるのにちゃんと作れないのでしょうか?
ここで「ご案内営業、御用聞き営業、リレーション営業」と「課題解決型営業、戦略営業」の違いを考えてみましょう。
「ご案内営業」は、会社が作った商品を説明して買ってもらう営業
「御用聞き営業」は、お客さんの要求を聞いてきて合う商品を紹介する営業
「リレーション営業」は、お客さんと関係を作り商品を買ってもらう、仕事をもらう営業
では、「課題解決型営業、戦略営業」は?
「課題解決型営業」は、課題や解決策を考え理解させる営業
「戦略営業」は、顧客の経営課題や組織、予算を把握し攻め方(戦略)を考えて実行する営業
「ご案内営業、御用聞き営業、リレーション営業」は行動中心の営業です。
対して「課題解決型営業、戦略営業」は考えることから始まる営業です。
昭和から平成初期にかけては「営業は外出するのが仕事だ、社内にいるな」と指導されたものです。
しかし、今日の営業では「考える」が重要になっています。
つまり、「社外業務」「交渉業務」という2つの種類の仕事に「考える」仕事が加わり、「社外業務」「交渉業務」「考察業務」という3つの種類に変わっているのです。
みなさんの仕事は、この変化に合った環境や働き方になっているでしょうか?
たしかに、昔に比べて
「社内にいる時間が増えている」「情報共有の環境も整えている」「モバイルの導入も進み社外で仕事をする環境も整えている」
しかし、
「提案書をちゃんと作れない」「戦略や計画を考えない」「提案書や計画書を作ってきてもいい加減」
「考察業務」の環境は本当に整っているでしょうか?
営業にとって「考える仕事」の環境は整っているでしょうか?
「考える仕事」にとって必要なことは?
それは、「頭の切り替え」と「集中」です。
この「頭を切り替える環境」と「集中する環境」が整っていないことが今日の営業において大きな問題になっています。
提案書を作成している営業担当者を見ていると・・・
顧客訪問から帰ってきて自分のデスクに戻り提案書を作成。
提案書を作成し始めて5分ぐらいたったところで顧客から問い合わせの電話。
顧客との電話が終わり提案書を作成していると10分ぐらい経ったら上司が横に来て
「A社の見積書はどうなっている?」
そして「あっ、まだ作っていません。すみません、今日中に作ります」
上司への対応が終わって提案書を作成、30分ぐらい経つと若手社員が
「すみません、明日の訪問に持っていく資料を確認してもらいたいんですけど」
若手社員の資料確認が終わり提案書を作成していたら経営企画部から
「今月の売上報告書が出ていないんですけれど、月末なのですぐ提出してください」
提案書の作成をいったん止めて売上報告書を作成。
売上報告書を完成させて提出したら21時を過ぎていたので、提案書の作成は翌日に。
このような営業担当者が非常に多い・・・
「提案書作成」→顧客の問い合わせ対応→「提案書作成」→上司の見積もり確認→「提案書作成」→若手社員の資料確認→「提案書作成」→売上報告書→翌日「提案書作成」
顧客の問い合わせ対応、見積もり確認、若手の資料確認、売上報告書と提案書の作成は思考が異なる仕事です。
頭を切り替えて提案書を作成しているのでしょうか?
提案書の作成に集中できているのでしょうか?
提案書や計画の作成、戦略の策定は、頭を切り替えて集中できる環境が必要な仕事です。
頭を切り替えるためには、
環境を変えることが有効です。場所や周囲の環境が変わると自然と頭も切り替えやすくなります。
また、集中するためには、
他の仕事に影響されないで考えるまとまった時間が必要です。
自分のデスクで他の仕事に影響されながら提案書を作るのではなく、ミーティングブースや会議室など場所を変え、こもって仕事をする環境があれば、頭を切り替えて集中し提案書を作成できるのです。
そして、そのためには空いた時間に提案書や戦略、計画を作成するのではなく、あらかじめ計画し時間を確保しておかなければなりません。
すると、
提案書や戦略のミスがなくなり、精度もあがる・・・結果、営業成果も上がる。
提案書や計画作成のスピードが上がる、ミスが減り作り直すなど二度手間もなくなる・・・仕事が短時間で終わる。
営業という仕事は、
顧客、上司、部下、技術や企画部、財務や経営企画部など様々な関係者が存在する仕事です。
そして、商談・提案以外にも、売上報告、社内調整、問い合わせやトラブル対応など多様な業務が存在する仕事です。
このような営業という仕事において、営業の仕事の3つの種類のうち新たに増えた「考察業務」を推進するためには、考えるための「頭を切り替え」て「集中」できる環境が必要です。
営業の提案書や戦略、計画は片手間でできるほど簡単な仕事でしょうか?
考えるための時間と環境を整えましょう。
「課題解決型営業、戦略営業」にとって「考える仕事」は重要です。
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