話し方を改善し説得力を強化する
適正な型と第三者の頻繁なチェックが話し方を改善する
2020年7月15日
商品説明、プレゼンテーション、交渉、提案書や各種説得資料・・・
話し方や表現方法で、顧客が理解する内容や理解度、印象が変わります。
話 が長い、まわりくどい、わかりにくい、何が言いたいのかわからない、単調で印象に残らない・・・すべて営業活動に影響してしまいます。
次の2つの説明を比較してみてください。
営業担当者AさんとBさんが上司に顧客との商談について報告していました。
Aさん
「先ほど〇〇社に訪問してきたんですけれど、昨年に新規事業を立ち上げたので5人も社員を採用したようなのですが、採用したのは若い人が多くて教育が必要だったのに、新規事業の立ち上げで忙しくて面倒を見れなくて、1年で3人も辞めてしまったようです。
採用する人材像を変えるか、人事部がちゃんと教育してくれないと、と言って担当者も悩んでいたんですが、新規事業で若手をマネジメントするのは難しいみたいで、退職したうちの1人は入社2か月で 辞めてしまったらしいんですが、辞めるときに揉めて大変だったようです。
ただ、新規事業を進めるには人が足りないので人事部と相談して採用活動は継続するようです。」
Bさん
「先ほど〇〇社に訪問してきたんですけれど、採用活動は継続するようです。
ただ、人材像と人事部の教育、この2点を変える可能性があります。
昨年採用した若手社員5人のうち3人が辞めてしまったようですが、理由は新規事業の立ち上げで面倒を見れなかったことらしいです。
とはいっても新規事業を進めるには人が足りないので、採用する人材像を変えるか、人事部の教育を改善するかを人事部と相談するようです。
余談ですけど、退職者のうちの1人は入社2か月でやめて、退職するときに揉めて大変だったようです。」
AさんとBさんの説明を聞いたときに、何を理解し、どのような印象を持ちますか?
Aさんの場合は、
採用活動を継続することはなんとなく理解できますが、他に何が重要なのかがよくわからない。
また、新規事業で忙しいのに若手の新入社員が辞めてしまって大変という印象ばかりが残ります。
対して、Bさんの場合、
採用活動の継続と同様に人材像と人事部の教育を変えるということが重要な情報と理解でき、人材像と人事部の教育を変える理由も理解できます。
また、新規事業を進めるために人が足りず採用しないといけないという印象が残ります。
AさんとBさんは同じことを言っています。
同じことを言っていても、話し方や話す順番で伝わる内容や印象が変わってしまいます。
営業は、話し方や話す順番、資料の表現方法によって成果の変わる仕事です。
顧客が理解する内容や理解度、収集できる情報、顧客との関係が変わり、その結果、営業成果も変わります。
当たり前なことですが、話し方や表現方法は営業にとって非常に重要な要素です。
しかし、なかなか変えられない、改善できない・・・
「話し方は長年積み上げてきたものなので変えられない」と 営業責任者や上司、営業担当者、多くの人があきらめてしまっています。
そんなことはありません。変えられます。
みなさんは、今の話し方をどうやって身につけてきましたか?
おそらくほとんどの人が勉強して身につけてきたものではなく、子供のころから何度も何度も経験し自然に身につけたもの。つまり習慣や癖のようなものです。
話し方が習慣や癖であれば変えられるのです。
子供のころだけでなく、社会人になってからも変えら れるのです。
業界や部署によって話し方が似る傾向があります。
小売業界の人と製薬会社の人は、使っている言葉や話し方の傾向が異なります。
また、経営企画部の人、技術部の人、営業部の人では言葉や話し方の傾向が異なります。
業界や部署が変われば話し方が異なるということは、業界や部署の中では話し方が似ているということです。
同じ話し方の人を集めているわけではないのに、なぜ似ているのでしょう?
環境や仕事内容により業界や部署でよく使う言葉や話し方に継続的に触れ、自らもその言葉や話し方を継続的に使うようになり自然に身につくのです。
つまり、一定期間継続することで話し方という習慣や癖が身につくのです。
では、どうしたら今と異なる話し方を一定期間継続することができるのでしょうか?
話し方は、自然と無意識に行っているものです。
この無意識に行っている話し方に対し「意識する、気をつける」や「わかりやすく説明しろ」という漠然とした場当たり的な指導では継続できません。
今と異なる話し方を一定期間継続し、習慣化し、改善するために3つ必要なことがあります。
1つ目は、型を作り、型に合わせて話をする。
使う言葉や話す順番、話し方に対して、適正な型や基準を作り、その型や基準に合わせて話をするのです。
そのためには、口頭で話をする前に、話したいことを書くことが有効です。書くことで、視覚的にチェックし型に合わせて修正することができます。
2つ目は、第三者がチェックする。
話し方は自然と行ってしまうため、自分では気づきにくいものです。
型や基準に合っているか否かを第三者がチェックし指摘してあげることが必要です。
3つ目は、頻繁にチェックし修正する。
一時的に修正しても自然に行っている話し方はすぐに戻ってしまいます。戻ってしまうと習慣や癖である話し方は、元のまま定着してしまいます。
習慣化するまで元に戻らないよう頻繁にチェックし修正しなくてはなりません。
つまり、話し方を改善するためには、
適正な話し方の型を作り、型に合わせて話をし、その話し方を習慣化するまで第三者が頻繁にチェックし修正することが必要です。
説得力のある話し方には、「言いたいことを端的に伝える」「具体的にイメージさせる」「論理的に説明する」という3つの要件があります。
この3つの要件による説得力のある話し方は、商品や提案を理解させる力、顧客から情報を聞き出す力、価格や条件などの交渉力を上げることもできます。
逆に、いくら良い提案を考えても、情報を聞き出すシナリオを考えても、交渉方法を考えても、話し方が悪ければうまくいきません。
自然に行っている習慣や癖である話し方を改善することは容易なことではありません。
しかし、顧客とのコミュニケーションで成り立つ営業という仕事において、相手に伝える手段である話し方は、すべての営業活動の基盤です。
この営業活動の基盤である話し方を身につけることや改善することをあきらめるということは、営業力をあきらめることと同じです。
営業力を身につけたいのであれば話し方を改善しましょう。
そのために、「意識する、気をつける」や「わかりやすく説明しろ」ではなく、「言いたいことを端的に伝える」「具体的にイメージさせる」「論理的に説明する」に対する型を作り習慣化するまで徹底しましょう。
習慣化し改善するまでしばらくは苦労しますが、その後、営業活動が楽になり売上も上がってくることでしょう。
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