顧客視点の商品説明
課題解決型営業の商品説明は顧客に合わせて変える
2017年1月1日
ご案内営業、商品説明営業から提案営業、課題解決型営業に変えないといけないと言いながら、なかなか変わらない・・・
このように悩んでいる会社が多いものです。
上司が「課題を聞いてこい」「提案しろ」と指導しても、なかなか「顧客の課題を聞いてこれない」「提案できない」・・・
これは、ヒアリングに原因があるケースも多いのですが、課題を聞き出せない原因は商品説明にもあるのです。
商品説明で顧客に説明すべきものは4つあります。
・機能・強み
・実績・事例
・課題解決(用途、利用シーン)
・課題解決による効果(メリット)
この中で顧客が欲しいものは課題解決であり、最も欲しいものは課題解決による効果です。
こう説明すると「課題解決と効果を顧客に理解させようとしています」「機能や強みばかりでなく、課題解決や効果を提案しています」と答える人も多い。
しかし、このように答える人の中にもご案内営業、商品説明営業になってしまっている人が多くいます。
では、少し例でご説明しましょう。
先日、求人情報サイトの営業の方からこのようなの商品説明を受けました。
「当社の求人情報サイトは、
登録人数が10万人で、登録者の属性は、男女比が半々、年齢が・・・機能としては、スカウトメールで御社のターゲットに直接メール配信して応募を促進」
「欲しい人材を採用するのは難しいようですが、登録人数が多くて、若い人が多いからベンチャー企業に合う人材を採用できるのでは」
「厳しくても難しくても頑張る意欲ある人材を採用して成長しながら、将来、社長と一緒に御社を大きくする人材を確保できるのでは」
この商品説明の中で課題解決と効果はどの部分でしょう?
「登録人数が・・・応募を促進」の部分は機能や強みです。
機能、強みの説明が商品説明の大半を占めていました。
あえてあげると
課題解決の部分が、「欲しい人材・・・採用 できるのでは」
効果の部分が、「厳しくても・・・」から「確保できるのでは・・・」
しかし、はたして、
「若くてベンチャー企業に合う人材の採用」は当社の課題解決なのだろうか???
「意欲ある人材を採用して社長と一緒に会社を大きくする」ことが当社の課題解決の効果なのだろうか???
この課題解決と効果は一般論であって当社の課題解決と効果ではありません。
当社の採用に関する課題は、
「当社が教育事業を伸ばしていくために講師が必要ですが、講師は即戦力になる人材を確保できない、育てないといけない」であり、
課題解決は、
「ある程度経験がある人材で、営業経験をさせながら講師に育つ人材を採用する」
その効果は、
「講師を増やせることで、取引先を増やすことができる」
ということです。
営業の説明と当社の課題解決と効果の2つを並べてみましょう。
<課題解決>
営業が説明した課題解決
「欲しい人材を採用するのは難しいようですが、登録人数が多くて、若い人が多いからベンチャー企業に合う人材を採用できる」
当社の課題解決
「教育事業を伸ばしていくために講師が必要ですが、講師は即戦力になる人材を確保できない、育てないといけない」
「ある程度経験がある人材で、営業経験をさせながら講師に育つ人材を採用する」
<効果>
営業の説明した効果
「厳しくても難しくても頑張れる意欲ある人材を採用して将来成長させながら社長と一緒に御社を大きくする人材を確保できる」
当社が求める効果
「講師を増やせることで、取引先を増やすことができる」
上はベンチャー企業の一般的なこと(抽象的な一般論)、下は当社固有のこと。
ベンチャー企業ですが営業教育 事業を運営している社員数の少ない顧客の場合どちらが理解できるでしょう?
課題は、顧客ごとに異なるものであり、そのため課題解決も顧客ごとに異なります。そして、課題解決が異なると、当然その効果も異なります。
つまり、課題や課題解決、効果は顧客ごとに異なるため顧客視点の商品説明をするためには、事前に顧客の課題と課題解決、効果を把握、または想定する必要があります。
そして、その想定した課題に合わせた課題解決と効果が顧客の欲しいものであり、その商品による課題解決と効果の説明に顧客は期待するのです。
この期待が、商品説明の後、顧客に課題や悩みを言わせるのです。
この課題解決 と効果が一般論だと顧客に理解されにくく、結果的に機能や強み、実績、事例に対する質問や回答中心になり、顧客の課題や解決策、効果の話になりにくいのです。
つまり、商品説明中心の営業、商品をご案内して買ってもらう営業になりやすいのです。

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