売上を上げる営業計画
足りない売上に悩むことが売上目標を達成させる
2017年4月15日
多くの営業の方が期初になり1年の営業計画を作っているころでしょう。
みなさんが作っている営業計画は6か月後にどうなっているでしょう?
期初に営業計画を策定し、営業活動をスタート・・・
6ヶ月後の営業会議のシーン、今期が終わるまであと半年・・・
売上目標1億円に対して現在、受注が3,000万円で、残り7,000万円。
見込案件を全て受注して5,000万円。
全部受注できても8,000万円。
マネージャーAさん
「このままだと目標に届かないけれどどうする?」
営業担当Bさん
「見込みが足りないから担当顧客に今売れている〇〇を紹介して案件を獲得します」
マネージャーAさん
「〇〇を紹介して7,000万円いくの?」
営業担当Bさん
「今の見込案件を受注したら、あと2,000万円だから」
マネージャーAさん
「でも見込案件を全部受注できないだろう」
「見込案件からの受注は3,000万円ぐらいじゃないか?」
「そうしたら全部で6,000万円で、あと4,000万円受注しないといけないだろう」
営業担当Bさん
「いずれにせよ見込案件を増やさないと目標に届かないから・・・」
マネージャーAさん
「じゃあ、この前の展示会の来場者へアプローチするように」
このようなシーンがけっこう多い・・・
「いずれにせよ見込案件を増やさないと目標に届かないから」は、「目標を達成できるかわからないけどやれるだけやります」ということです。
目標は一応あるけれど、目指していない、目指せない・・・
その結果、目標に対して対策もたてない、たてられない・・・
この「やれるだけやります」は一番売上が伸びないパターン・・・
仮に目標を達成したとしても、運よく大型受注が入ったときぐらい・・・
つまり、運が良かったから目標を達成し、運が悪ければ達成しないということ。
なぜ、「どうしたら目標を達成できるか」について考えることをやめてしまうのでしょうか?
なぜ、課題や対策を考えず「やれるだけやります」になってしまうのでしょうか?
そのときの意識に原因があるとも思いますが、期初の営業計画に原因があることも多いのです。
多くの会社から営業計画について相談を受けています。
「うちの営業は計画を作れない」
「営業計画がいい加減」
「営業計画を作ってもやろうとしない、しばらく経つと意識しなくなる」
「計画通りにいっていないのに修正しない、対策をたてない」
「・・・」
営業計画について悩んでいる人は多いものです。
期初の営業計画では売上目標に対して2つのことを検討する必要があります。
(1).期初時点の見込案件に対する計画
(2).新規案件に対する計画(既存顧客からの新規案件、新規マーケットや新規顧客)
(1)も問題はありますが、(2)の問題が特に多い・・・
期初時点の見込案件で足りない売上に対し、新規案件で受注を獲得する計画。
<よくあるパターン1>
「売上目標に対してアプローチや訪問件数を考えているが無理がある計画」
「無理がある」原因A
営業はトラブルや顧客対応など突発的なことで時間をとられるもの。
その突発的なことが起こることを見込んでいない。
「トラブルがあったので新規訪問できませんでした」という言い訳をよく聞きます。
営業はトラブルや顧客対応など突発的なことが多い仕事です。
そもそもトラブルや顧客対応など突発的なことがあるということを見込んで考えなければなりません。
「無理がある」原因B
無理だとは思っているが、意気込みだけで計画を作っている。
これは、実行不可能。
<よくあるパターン2>
「考えた商品〇〇の紹介や訪問量では売上目標は達成しない計画」
「達成しない」原因A
「無理がある」とは逆に、自分ができることを考え、目標と調整している。
計画は、目標をどうしたら達成できるかを考えるものです。
つまり、目標から考えるもので、できることから考えるものではありません。
「達成しない」原因B
新商品〇〇の紹介や訪問量を増やすことで、どのくらい受注を獲得できるかわからないから考えていない。
多くの会社で営業計画を見てきましたが、 この原因Bのパターンが最も多い・・・
売上目標1億円
計画1
新商品の〇〇を紹介して新規案件を獲得
ターゲットは、小売・流通業界と自動車ディーラの大手~中堅企業
計画2
休眠顧客50社、展示会来場者20社へのアプローチ
大手企業に△△、中堅企業に□□、△△と□□のニーズがない場合は新商品〇〇を紹介
計画1と2で売上1億円を獲得
この計画1、2は方針であって計画ではありません。
計画は、実行できるものです。
そ のため、目標を達成するための件数やスケジュール、実行できる具体的な内容や方法がなければなりません。
みなさんの営業計画はいかがでしょう?
新規案件に対し実行し目標を達成させることができる営業計画は以下の手順で考える必要があります。
①.売上目標に対し、どれだけ必要かを考える。
はじめに、過去のデータなどを考慮し受注率や見込案件獲得率など確率を考え、売上目標に対して必要な提案や商談件数などを考えます。
②.①に対してどのくらいできるか考える。
①に対して自分の状況や環境を踏まえ、実行できる商談や提案件数などを考えることです。
多少トラブルや顧客対応など突発的なことが起こることも考えて・・・
③.①と②の比較でどのぐらい足りないかを把握する。
比較すると①に対し②が足りないことが多いのですが(足りるのであれば苦労しないでしょう)、そのギャップを把握にすることが大切です。
自分が一生懸命やった時に目標に対してどのぐらい足りないのか?を考えてください。
どのぐらい足りないのかがわからないと、目標を達成する方法や対策を考えられないのです。
つまり、
①.目標達成には、見込み案件を10件獲得しないといけない。
②.ターゲットの休眠顧客に対する受注率を考えると受注は6件ぐらいだろう。
③.残り4件を獲得しないと売上目標を達成できない・・・
そして、
④.③の足りない分をどうやって獲得するか考える。
③の足りない分に対してどうしたら受注を獲得できるかについて悩み、考えることです。
・展示会やセミナーなど販促施策を活用して獲得できないか
・見込案件の規模を大きくできないか、見込顧客から他の案件を獲得できないか
・以前訪問した顧客から獲得できないか
・商談や提案方法、商品などを見直して獲得できないか
・ ・・・
これらの方法で残り4件の見込案件を獲得できるか?そして売上目標を達成できるか?
前述のよくあるパターンは、
・①は考えているけど、②があいまい、その結果③がわからず、④を考えない
・②を考えて、①の目標との整合性を調整し、③と④を考えていない
・①と②を考え、③もわかっているが、④を考えていない
このような計画が多く見受けられます。
このような計画では、忙しい中一生懸命作ったのに6ヶ月後には「目標を達成でるかわからないけど、やれるだけやります」になってしまいます。
営業計画を作る価値は「どうしたら売上を上げられるか?」を考えること。
つまり、③の一生懸命やった時にどのぐらい足りないのか?を考え、そして、④の足りない分をどうやって獲得するか?を考えることです。
この③④を考えることが営業計画を作る最も大きな価値なのです。
数字を調整して帳尻を合わせることでも、上司に承認をもらえる計画を作ることでも、達成しなかった時に怒られないように安全な計画を作ることでもありません。
営業という仕事は計画通り、思い通りにいかない仕事です。
そのため、計画を作り、その通りやれば売上が上がるという仕事ではありません。
「どのぐらい足りないか?どうやって獲得するか?」を繰り返し考え、実行することで売上を上げる仕事です。
その一番初めに作る期初の営業計画の「今期はどのぐらい足りないのか?どうやって獲得するか?」が一番初めに売上を上げる方法を考えることなのです。
足りない売上を明確にして悩んでください。
時間をかけどうやって獲得するかについて悩んでください。
この「どのぐらい足りないのか?どうやって獲得するか?」について悩むことが、売上を上げる方法を考える力になり、自分の営業の幅を広げるのです。
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